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突然余命を告げられた大学教授・リチャードを演じるのは、ゴールデングローブ賞をはじめ数々の賞に輝くハリウッドを代表する名俳優であり、ファッション・アイコンとしても世界中で支持を受けるカリスマ、ジョニー・デップ。ミニシアター作品から『パイレーツ・オブ・カリビアン』のような超大作まで、作品の大小に関わらず、その個性的な演技力で今もなお、世界中のファンを魅了し続けている。今年、初主演映画『クライ・ベイビー』(90)の公開から、30年というメモリアルイヤーを迎え、再び本作でインデペンデント作品への回帰を果たした。そんな唯一無二のキャリアを歩む、彼自身を投影したかのようなリチャードの生き様は、観るもの全てに“自分の人生を歩む”ことの勇気と大切さを教えてくれる。第82回アカデミー賞6部門を受賞した『ハート・ロッカー』のプロデューサー、グレッグ・シャピロのもと共演には、次世代の若手女優ゾーイ・ドゥイッチ(『ゾンビランド:ダブルタップ』)、ダニー・ヒューストン(『ワンダーウーマン』『21グラム』)らが名を連ね、シリアスになりがちな”人生の終わり”というテーマを新鋭・ウェイン・ロバーツ監督がユーモラスに描き出している。
「余命180日です。」
大学教授・リチャードに告げられた突然のがん宣告。博学でエレガント、真面目な夫として美しい妻と素直な娘との何不自由ない暮らしを送っていたはずのリチャードの人生は一変。追い討ちを掛けるかのように妻に上司との不倫を告白された彼の日々は予期せぬ展開を迎える。死を前に怖いものなしになったリチャードは残りの人生を自分のために謳歌しようと決心。あけすけにものを言い、授業中に酒やマリファナを楽しむ。ルールや立場に縛られない新しい生き方はリチャードにこれまでにない喜びを与え、人の目を気にも留めない彼の破天荒な言動は次第に周囲にも影響を与えてゆく。しかし、リチャードの“終わりの日”は着実に近づいていて…
ジョニー・デップas リチャード
1963年6月9日生まれ、米ケンタッキー州出身。ロックミュージシャンになるためにL.A.に渡るが、男優ニコラス・ケイジの勧めで俳優を志す。映画『エルム街の悪夢』で映画デビュー。主演を務めたドラマ『21ジャンプストリート』(Foxテレビ)で注目を集め、その後は映画を中心に活躍しハリウッドを代表する俳優となった。代表作は映画『シザーハンズ』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなど。
ローズマリー・デウィットas ヴェロニカ
1974年10月26日生まれ、ニューヨーク市クィーンズ区出身。オフ・ブロードウェイで舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、その後様々なテレビドラマに出演。2008年公開の『レイチェルの結婚』でサテライト賞助演女優賞を受賞、インディペンデント・スピリット賞助演女優賞にノミネートされた。近年の出演作品は『ラ・ラ・ランド』、『スウィート・ヘル』など。
ダニー・ヒューストンas ピーター
1962年5月14日生まれ、アメリカ合衆国出身。父親は映画監督のジョン・ヒューストン。アンジェリカ・ヒューストンは異母姉。祖父は俳優のウォルター・ヒューストン。テレビドラマシリーズの『マジック・シティ』で2013年のゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネート。近年でも精力的に俳優活動を続けており、ティム・バートン監督の伝記映画『ビッグ・アイズ』や『ワンダーウーマン』テレビドラマシリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー』などへも出演している。
ゾーイ・ドゥイッチas クレア
1994年11月10日生まれ、カリフォルニア州 ロサンゼルス出身。父は映画監督のハワード・ドゥイッチ、母は女優のリー・トンプソン。2010年にディズニー・チャンネルの『スイート・ライフ オン・クルーズ』で女優デビュー。『ヴァンパイア・アカデミー』で主演を務め、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』などで主人公やヒロインを演じた。人気ゾンビコメディの続編『ゾンビランド:ダブルタップ』にも出演する注目の間若手女優。
オデッサ・ヤングas オリヴィア
1998年1月11日生まれ、オーストラリア シドニー出身。『アサシネーション・ネーション』『スィート・ヘル』に出演し話題を集める。エルマガジンより“オーストラリアで最も明るい新星”と称され近年、注目を集めている。
ロン・リビングストンas ヘンリー
1967年6月5日生まれ、アイオワ州シーダーラピッズ出身。1992年にドリー・パートンなどが出演した『ストレンジトーク』で俳優デビュー。近年の出演作は『お!バカんす家族』『ラッキー』『タリーと私の秘密の時間』など。
監督:ウェイン・ロバーツ
主演にオリヴィア・クックを起用した初監督作品『グッバイ、ケイティ』がマンチェスター映画祭など数々の映画祭で称賛され注目を集める。本作ではシリアスになりがちな”人生の終わり”というテーマをユーモラスに描き出した脚本をジョニー・デップ本人が気に入り映画化が決定。今後の活躍に期待の集まる新鋭監督。
プロデューサー:グレッグ・シャピロ
1972年12月16日生まれ、カリフォルニア州 ロサンゼルス出身。『ハート・ロッカー』のプロデューサーとしてアカデミー賞を受賞。その他『デトロイト』 『チャイルド44 森に消えた子供たち』『ゼロ・ダーク・サーティ』などのプロデュースを務めたベテランプロデューサー。
こんなジョニー・デップが観たかった

演者と役柄が交点を持つ瞬間が幾度もあり
途中から何を観ているのか分からなくなった
そのくらい今のジョニー・デップ
そして今までのジョニー・デップの生きて来た時間がフィクションを超えて
リチャード教授に落とし込まれていた気がしました
つくづく映画を愛し映画に愛された男なのだと。

またゾーイ・ドゥイッチの作品毎の七変化振りには
毎度心の二度見をさせられる
目の離せない新星
斎藤工
俳優・フィルムメーカー
生きているということは必ず死と隣り合わせであると突きつけられた。
そんな当たり前のことを忘れてしまう。
誰しもその時は間違いなくやってくる。
果たして自分はジタバタせず受け入れられるのか…
今の生き方でいいのか…
この世に生まれてきた意味を考えずにはいられない。
ジョニー・デップの芝居が響いた、このご時世だからこそ観るべき映画。
滝藤賢一
俳優
その表情も口調も、これほどまで「素顔に近い」ジョニー・デップを観るのは初めてかも……。
演じる本人と強烈に一体化したからこそ、自分の運命を受け入れるリチャードの姿が、
切なく、愛おしく迫ってくるのだった。
映画全体のシリアスさと軽妙さの不思議なバランス感覚も、ジョニーの個性を表現したかのよう!
斉藤博昭
映画ライター
念のため言っておくと、本作は闘病生活を描いたお涙頂戴映画ではまったくない。
男が負けるのを覚悟して本気で闘っているのは、現代社会という病だ。
そして、リチャード=ジョニー・デップは最期までユーモアを忘れず軽やかに闘い抜いてみせる。
宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト
「中年の危機」を描いた映画は珍しくないけれど、
ジョニー・デップがおじさんの哀愁をたっぷり漂わせる姿を僕たちはここではじめて目撃する。その悲しみを通過し、老いと死に向き合うことで他者に寛容になっていくリチャードのあり方は、おじさん=中年男性たちがこれから進むべき道を優しく照らしているのではないだろうか。
木津 毅
映画ライター
長女リリー・ローズ=メロディが生まれた時、その感激を本当に小さなベビーを抱き上げる仕草をしながら語ってくれたジョニー・デップ。そうなのだ、『グッバイ、リチャード!』には等身大のジョニーが反映されていて、ああ、この人はスターである以前に一級の役者だったんだなと再認識。
一人の男・リチャードの人生に重ねて、ジョニー・デップの素が見えるのも嬉しい!
佐藤友紀
ジャーナリスト